No.47 腹話術と信仰成長④

- キリスト教専門用語の多用 -

「しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべて の真理に導いてくださいます。」

ヨハネの福音書16章13節

ゴスペル腹話術師の皆さんは、自分の台本の中で、どれほど“キリスト教専 門用語”が使われているかについて、意識したことがありますか。たかだか 10分~15分ほどの長さの話の中で、案外、たくさんのことばが使われてい るのではないでしょうか。

私が、ドラマ腹話術を始めた頃(今から15年ほど前)、VIP インターナシ ョナルというグループ(ビジネスマン伝道)から招かれて、レストランで奉仕 したことがあります。その時、主催者側からあらかじめ釘を刺されたのは「な るべくキリスト教専門用語を使わないでください」ということでした。そう言 われたのは初めてだったので、私はハタと立ち止まりました。そして、あらた めて自分の台本をチェックしてみたのです。すると、「神」「罪」「救い」「永遠 のいのち」など、たくさんのことばが並んでいるのに気が付きました。そこで、 これらの言葉を使わないで、その内容をノンクリスチャンにもわかりやすい表 現にしたらどうなるのか・・・ということを考え、ずいぶん頭を悩ましたこと でした。

私たちクリスチャンは、当然ながら信仰をもつ前はノンクリスチャンであっ たわけですが、信仰生活が長くなればなるほど、クリスチャン同士で交わるこ とが多くなり、その中で、無意識にもキリスト教専門用語を使ってしまうので はないでしょうか。その延長で、いざ腹話術で伝道しようと「聖書台本」を書 く時、すっかり使い慣れたことばを並べてしまい、むしろそうしなければメッ セージにならないとか、使っているから福音を語ったのだ、というような自己 満足的錯覚を起こしてしまうのです。ところが、そのような台本は、ノンクリスチャンにとっては、ちんぷんかんぷんで、全くもって逆効果なのです。

それでは、どうしたら、ノンクリスチャンにもわかりやすい台本を書くこと ができるのでしょうか。いくつか思いつくままに、ポイントをあげてみたいと 思います。

ひとつの台本の中で、「神」「罪」「救い」などの専門用語を多用することは、絶対に避けましょう

どうしても使わないと話が進まない場 合は、ひとつかふたつに絞り、そうしたら、必ずその言葉の意味を、例話など でかみくだいて説明することです。たとえば、「神」なら、聖書の神は観客が もっている神概念とどう違うかを具体的に説明する。「罪」なら、罪とは、一 般的に考える罪の概念とどう違うかを例話で説明する・・・などです。

ひとつの台本で、救いについてすべてを説明しようとする誘惑に 勝利しなければなりません

“お子様ランチ”のように、何から何まで少し ずつそろっていて、最後に日の丸(十字架の旗)を立てないと気が済まないよ うな話は、観客にとっては、退屈で、全く興味を持つことができないでしょう。 原則として、ひとつの話にはひとつのテーマ(真理)で十分です。台本を書く 前に、この話で何を伝えたいのか、一行で書きだす練習をしましょう。

そもそも、聖書の救いの教理を並べる台本をやめて、もっと身近 な内容から、神の属性や、信仰の力などを紹介するような台本を作るこ とを心掛けてみてください

そのためには、自分の体験した救いの証しや信 仰生活の証しなどを盛り込んだ話を書くとよいでしょう。証しというものは、 私たちが想像する以上に、観客の興味を引き、神が生きていることを伝える力 があります。

台本を書く前に、日頃から、ノンクリスチャンの家族や友人の言 動から、彼らの人生に対する疑問や悩み、興味のあることなど、情報収 集しておくことが大切です

児童伝道であれば、教会に来ていない子どもた ちがどんな生活をしているか、何を考えているか、どんなことが流行している かなど、できる限り知っていく努力をしてみましょう。そうすると、どんな例 話がピンとくるかなどのアイデアが湧いてくるものです。 以上、幾つか留意点を上げましたが、もちろん、みことばは聖 霊によらなくては理解することはできません。それでも、自分が何を語ったかではなく、相手に何が伝わったかに心を向けたいものです。

2018 年2月23日