No.81 腹話術で人は救われるか

聖霊の働きにゆだねて

「風は思いのままに吹きます。その音を聞いても、それがどこから来てどこへ行くのかわかりません。御霊によって生まれた者もみな、それと同じです。」

(ヨハネの福音書3章8節)

 「そもそも、腹話術はエンターテイメントであり、魂の救いに導く伝道にはならない」という、人々の先入観や軽い受け止め方は、今もよくあることかもしれません。腹話術をしているみなさん自身はどうお考えでしょうか。「それほどの技術もないし、そんなことを期待したり祈ったこともない」という方がいたら、それは“もったいない”話だと思います。
 腹話術が神さまからの賜物だと信じるなら、その賜物をささげて、みことばを伝える時、聖霊が働いて、人々に語りかけ、信仰決心に至ることもあるのです。今回は、私自身の体験を少し証ししたいと思います。

1.教会学校礼拝において

 忘れもしません。人形タカちゃんと一緒に、教会学校巡りをしていた頃、(つまり、腹話術歴4~5年くらい)ある教会の教会学校礼拝で「放蕩息子のたとえ話」をした時でした。それまでは多くの場合、「腹話術子ども会」としての集会で、たくさんの子どもたちの前で奉仕していましたが、あくまでも“お楽しみ会”としての位置づけだったので、それなりの反応でした。
 ところが、その日の礼拝では、CS教師の姿勢が違っていて、とても霊的に整えられた感じがしました。そして、私がメッセージとしての腹話術を終えた後、分級に分かれたのですが、ある青年がひとりの子どもと語り合っていました。そして、しばらくして、一緒に祈っていたのです。その後、その青年が私にこう報告してきました。「今日、あの子がイエスさまを受け入れました。」私は、そのような経験が初めてだったので、とても驚きましたが、思わず主をほめたたえました。彼が、伝道のツールが何であれ、みことばが語られた以上は、魂を導くという霊的心構えをもっていたことと、確かに主が働いてくださったゆえでしょう。私にとって、貴重な体験でした。ちなみに、この青年は、後に、宣教師になったそうです。

2.パペット伝道会において

 これは腹話術ではありませんが、パペットを用いた伝道会になってからは、聖霊は不思議な働きをされました。大概は、パペット2体で証しを20分演じ、その後、メッセージを30~40分語って、導きを感じたら決心を募ることが多いのですが、ある集会でひとりのご婦人が信仰決心に導かれました。たったひとりでも、その時の教会のみなさんの喜びは大きなものでした。なぜなら彼女は20年間も祈られてきた人だったからです。そもそも、その日の礼拝から、みなさんが並々ならぬ祈りをもって、主に期待しているのがわかりましたので、私も「これは祈りの結果だ」と御名をあがめたことでした。
 また、あるファミリー集会では、中学生と婦人が救われました。さらに、ある教会では、高齢のご夫妻が同時に決心し、何組かのクリスチャン夫婦も主の前に自分の課題を認識して、「祈ってください」と手をあげました。

3.聖霊が働く時

 こんなふうに公に手をあげなくても、集会後のアンケートで、様々な決断を記入する場合もあります。また、決心者がいたかどうかでなくても、私が演じたり、語ったりしている時に、「今、聖霊が働いている」とはっきりわかる瞬間がありました。その場合、主催者がどのように準備し、祈り、主に期待していたかはわかりませんが、聖霊は突然「風のように吹く」ことがあるのです。そんな時は、集会後、兄弟姉妹も「今日は、霊が動いていましたね」と口々に言っていました。聖霊を内にいただいている神の子どもたちには、その働きがはっきりわかるのです。
 このように、腹話術やパペットの技術がどうであれ、みことばがはっきり語られるなら、ご聖霊は自由に働くことができるのです。ハレルヤ!!

2023年3月24日