No.92 友をもつ

「友はどんな時でも愛するもの。兄弟は苦難を分け合うために生まれる。」

(箴言17章17節)

 みなさんは、腹話術に関する“友人”はおられるでしょうか。もちろん、「ゴスペル腹話術クラブ」には、私のような講師もいれば、腹話術仲間もいます。けれども、“腹話術をしない友人”はどうでしょうか。厳密に言うと“腹話術をしないけれども、腹話術に興味関心をもっている友人”、さらに言うと“腹話術をしないけれども、あなたの腹話術に興味関心をもっている友人”のことです。こうなると、なかなかむずかしいかもしれません。

 腹話術はひとり芸ですから、とかくすると孤独になってしまいます。もちろん、だからこそ、私たちはグループを作って、毎月集まって学び合っているのです。でも、いざその場を離れて、家で台本を書き、暗記し、練習し、実演をする・・・それらは、すべて自分ひとりでやらなければなりません。
時々「だれかが傍にいてくれたらなあ」と思ったことはありませんか。

 思えば、私自身も30年近い腹話術伝道の歩みの中で、何度も孤独を感じてきました。結局、最後まで「共に」という同労者は与えられませんでしたが、それでも、その都度その都度、必要な助けは与えられてきましたので、それはただ主のあわれみと恵みだったと感謝しています。

 私たちは、アマチュアであろうとプロであろうと、腹話術師であるなら、色んな意味で、この“友人”が必要なのです。今回は、その友人の果たしてくれる役割について、共に考えてみましょう。

(1)祈ってくれる人

 もし、私たち腹話術師にとって、最も必要な友人はどんな人かと聞かれたら、私は真っ先に、この“祈ってくれる人”をあげるでしょう。この人は、ひょっとしたら、腹話術についてはよくわからないかもしれません。あれこれ感想を言ったり、的を得たアドバイスはできないかもしれません。けれども、私たちが腹話術をしているということを、神さまからの賜物として受けとめ、主がこのことを通して、私たちを信仰的にも訓練し、ご自身の栄光をあらわしてくださることを心から願っていてくれるのです。このような人こそ、真の友なるイエスさまの次に重要な祈りの友です。

(2)率直な感想を言ってくれる人

 腹話術の具体的な準備のプロセスを考えるなら、次に助かるのは、練習段階で、演技を見て、率直な感想を言ってくれる人がいるということです。それは、みなさんにとっては夫であったり、子どもであったり、あるいは、教会の姉妹方のひとりかもしれません。誰でもよいのですが、みなさんの実演をじっくり見てくださって、技術にしろ、内容にしろ、正直な感想を言ってくれる人です。彼らは腹話術の裏側を知りませんので、時にはこちらにはきつく感じることを言うかもしれませんが、そこがまた私たちにとっては貴重な意見となる可能性がありますから、謙遜に受け止めましょう。

(3)励まし、慰めてくれる人

 私たちは、時々、自分の力不足を感じたり、アイデアに行き詰まったりしますし、疲れて「もうやめようか」などとスランプに陥る時もあります。そんな時、色んな形で慰め、励ましてくれる人がいるなら、どんなに助かることでしょう。

(4)奉仕先を探して、紹介してくれる人

 腹話術は、実演してなんぼの世界です。私たちはとかく自分の考えだけで、奉仕先を限定しがちですが、他人は案外自由な発想をします。今まで行ったことのない場所や演じたことのない対象を探し出して、紹介してくださる人がいたら、感謝して、恐れずに挑戦してみましょう。

(5)追っかけてくれる人

 いわゆる“追っかけ”をしてくださる人は、大変貴重な友人です。私たちがどこへ行っても、何を演じても、共に会場までかけつけて、観客の中に混じって観てくれる人は、最も適切な評価をしてくれるに違いありません。なぜなら、私たちの生の姿と観客のリアクションを肌身に感じてくれたのですから。  ―以上のような友が与えられますように、心から祈りましょう。

2024年4月26日