No.50 腹話術と信仰成長⑦
- 主のみわざを告げ知らせるために -
「神よ あなたは若いころから私を教えてくださいました。私は今なお あなたの奇しいみわざを告げ知らせています。
詩篇71 篇17節
今や、人生100年時代とも言われ、高齢者人口の増加が社会問題にもなっています。ク リスチャン腹話術師も例外ではありません。初心者講習を受ける人は60代が一番多いよう に感じられます。人生が一区切りつき、これから残された時間で何か神さまのお役に立ち たいというのは良い志だとは思います。けれども、腹話術というものは、実に難しい技術 を伴いますので、20代で始める人が簡単にマスターできることでも、年配の方が同じレベ ルに達するためには、若い人の何十倍もの努力や訓練が必要なのです。
それでも、年配者が腹話術をささげて神さまに仕えようとするとき、若い方々には到底 及ばない「特権」というものがあります。特に、若い時に救われ、信仰生活が長い方々に とって、これまでの数知れない主のみわざの体験が与えられているからです。また、若い 時には、悟りえなかったみことばの深みが「ここまできて、やっと腑に落ちた」というこ とが必ずあるに違いないからです。ですから、50代、60代で始めたみなさんは、「もう年 だから」とあきらめることなく、「今だから」大いに語るべきことがあると自信をもって、 取り組んでいただきたいものです。ただし、そのためには、いくつかの留意点があると思 います。
動機・目的をはっきりさせる
まず、「私は何のために、腹話術を始めたのか」という根本的な動機や目的を明確にする ことです。習ってみたいと感じたきっかけは、色々かもしれませんが、「楽しそうだ」「や ってみたい」と思った背後に、神さまが働いておられて、みなさんを用いて何かをされた かったのです。それは、一言で言うと「ご自身の栄光がほめたたえられること」だと思い ます。
みなさんは、それぞれが長いクリスチャン生活の中で、神さまがどれだけ愛と恵みと慈しみに富んだお方であるかを、具体的に体験してきたはずです。そのことを、腹話術の台 本の中で、大胆に反映させていくなら、みなさんの証しは、技術のレベルを超えて、神さ まに喜ばれる、聖なるいけにえとして受け入れられることでしょう。
教会で演じる
若い時と違って、みなさんには残された時間が限られています。体力も年々衰えてくる でしょう。持病も増えるものです。だからこそ、一日一日が大切なのです。パペットを趣 味娯楽として用いても罪とは言えませんが、神の子としての最高の祝福は、主を証しする ことであり、福音を宣べ伝えることです。「でもまずはうまくなってから」と尻込みしない でください。自分の部屋で鏡の前でどんなに練習しても、それだけで上達することはでき ません。積極的に人前に出ていって演じることです。たとえ2~3分でも5分でもかまい ません。いきなり教会学校のお話は無理でも、色々な交わり会や祝会などで演じさせてい ただくことです。同じ教会の方々を前にするなら、その都度、新しい台本を書くことにな るでしょうが、それがすばらしい訓練になります。見慣れた方々から少しずつ感想も聞く ことができて、さらに励みになるでしょう。
ボランティアに出かける
同じ台本を何度でも用いて完成させていくためには、対象が違わないといけません。そ のためには、自分の教会の枠を超えて、世の中に出て行くことです。まずは知り合いの人 に、幼稚園や老人ホームや施設などを紹介していただき、全くのボランティアで出させて いただくことです。場所によっては、聖書台本は使えないこともあるでしょうが、そうい う場合には、キリスト教文学や聖書の教えに反しない内容のものを用意しましょう。とに かく、どのような場にも顔を出す努力をしてください。みなさんはこの世にあって、神さ まの愛を証しするために、今なお生かされているのですから・・・なかなか台本書きが進 まない。練習ができないと嘆いておられる方がいますか?その原因は簡単です。出番がな いからです。まずは「やらせてください」と申し出る勇気が与えられるように祈っていき ましょう。
2018 年5月25日