No.75 証し台本の書き方 ④

主の恵みを忘れない

「わがたましいよ 主をほめたたえよ。主が良くしてくださったことを何一つ忘れるな。」

詩篇103篇2節

 今回は、証し台本の中の「信仰生活の証し」について考えてみましょう。みなさんの多くは、洗礼を受けてからもうだいぶ年数が経っていることと思います。ですから、「神さまから受けた恵みを証ししてください」と言われても、たくさんありすぎて、それでいて、特にこれというものが浮かばない、というようなことがないでしょうか。それでは、証し台本を書くにも、腹話術台本になりそうなことは何かと、的を絞ることが難しいでしょう。
 そこで、今回は、日頃から台本の材料を集めておくにはどうしたらよいか、という観点で、いくつか実践的な方法をお分かちしたいと思います。ちなみに、これらは、すべて私自身が現在も続けているものです。

1.日記をつける。

 私はこれまで大学生の頃から日記はつけていましたが、その内容は、主に出来事の記録でした。それで、ある時期がくると、まとめて処分するような状態でした。しかし、ここ10年余りは、内容を変えて、「その日の出来事の中で、神さまに感謝することと、反省点の両方を記録する」書き方にしています。その際は、自分の心の内側のことも重視します。教えられたみことばも記録します。そうすると、後で一週間を振り返る時、自分自身の弱さや課題と共に、主の守りやみことばの力などを覚えることができます。

2.デボーションノートをつける。

 これは、主に聖書の「一日一章」を読んでいく中で、教えられたこと、行動すべきことなどを簡潔に記録するものです。そうすると、単なる聖書通読で終わらずに、みことばの適用を大切にする習慣がついてくると思います。

3.「Spiritual Journey(霊的旅路)」を記録する。

 これは、人生の旅路の中で、特別な主の取り扱いを受けた際、日記には書ききれないので、大学ノートにできるだけ詳しく、書きたいだけ書く、というものです。ここでは、出来事に伴っての自分の正直な気持ちや神さまに対する思い(疑い、怒り、驚き、感謝、悔い改めなど)全部記録するようにします。そうすると、何年か経って「あの時はどう受け止めていたのか」ということが手にとるように思い出されますし、その出来事の意味(神さまのみこころ)も明白になってきます。私にとって、この記録が一番、神さまの恵みを実感できる貴重なノートとなっています。

4.「恵みの記念碑」を立てる。

私は、20歳で洗礼を受けた時から、芸名披露の時、アメリカから帰国した後、腹話術25周年の時など、何かの節目の時は、いつも「恵みの記念碑」として、大小の証しをまとめてきました。立派な印刷物や本にしなくても、その時、その時に、「これは忘れないようにしよう。これまでの歩みを神さまに感謝しよう」という思いで、文章にまとめることは、とても良い記念(証し)になります。そして、自分自身の信仰の歩みと共に、神さまはどういうお方かということを再認識するきっかけにもなるでしょう。
 この度、「腹話術45周年」を覚えて、20頁の薄い証しを書きながら、本当に多くのことを教えられ、神さまと人々に愛されてきたことを実感できたことは、それ自体大きな恵みとなりました。

 みなさんの中には、文章を書くことが苦手だという方もおられるかもしれません。でも、神さまから受けた恵みは、何らかの形で記録しておく、ということはとても大切です。主が良くしてくださったことを忘れないで覚えておくなら、信仰生活の証し台本を書くことも容易になることでしょう。

2022年8月26日