No.79 キャリアの危機

コロナ禍における闘い

「終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。」

(エペソ人への手紙6章10節)

 コロナ禍も丸3年となりました。世の中全体が、いたるところで行動制限がかかり、いまだに収束していないところから、特に教会では集会が思うように開けていないのが実情です。従って、腹話術の奉仕のチャンスも以前とは違って、めっきり少なくなっていることでしょう。そんな中で、私たちは腹話術の技術も霊性も保つためには、いったいどんなことを心がけたら良いのでしょうか。

1.奉仕不足がもたらす悪影響

 まずは、腹話術の奉仕の場がなくなると、腹話術師と人形に、どんな悪影響があるかを考えてみましょう。
(1)運動不足…私たち人間は、コロナにかかるのを恐れて家に閉じこもりがちになりますが、人形も同じことです。奉仕の場がなければ、どうしても人形を手にして練習する気持ちになれません。人形はきっとどこかにしまいっぱなしになっていることでしょう。その弊害は、人間でも体調を崩すように、人形も“動くことを忘れてしまう”ことになります。
(2)からだの劣化…人間は毎日適度な運動をしていないと、必ず足腰のみならず、内臓関係にも支障をきたします。それと同じように、人形も、適度に動かしていないと、劣化がおこります。もともとパペットは、消耗品ですので、使っていれば詰め物の偏りだったり、ボディーの歪みなどは出てきてしまいますが、未使用のまましまい込んでいると、ノリが剥がれたり、かびくさくなったり、別の劣化現象が起こってきます。
(3)コミュニケーション不足…腹話術師にとって、人形とのコミュニケーション不足は最大の危機です。人間は人と人との人格的な交わりがないと、ストレスになり“うつ状態”を引き起こしますが、人形も同じことなのです。腹話術師の側から言うと、いわゆる“勘”が鈍ってしまうわけです。一度失った勘は、それを取り戻すのには大変な時間と労力が必要です。

2.コロナ禍でもできること

 コロナの波は、これからも当分続くことでしょう。けれども、それに負けていては、私たちはただ年をとって、腹話術ができなくなるだけです。腹話術という賜物をもって神さまを証しするチャンスも失ってしまうのです。ですから、コロナ禍でもできることを工夫していきましょう。
(1)奉仕の場をいただく…教会も、少しずつ小さな集会を持つようになりましたので、5分でもいいですから、どこかの集まりで“出番”をいただくように祈って申し出てみましょう。
(2)人形のラジオ体操…人形は、バッグの中にしまい込んでいないで、いつでも抱けるように、部屋に出しておきましょう。そして、できるだけ鏡の前で動きの練習をします。一番基本的な動きは、テキスト『腹話術の基礎』(15~16頁)を復習してください。
(3)人形との会話…奉仕がない時にもできることは、基本台本の「イサクの誕生」(17~19頁)を繰り返し練習することです。この台本には、台本書きの秘訣、人形操作、演出法などの基本が詰まっています。もう一度、よく復習してみてください。そして、必ず暗記して、いつでもどこでも演技できるようにしておきましょう。
(4)月例会を実演と位置付ける…私自身は、かつて所属していた「ロゴス腹話術研究会」の月例会では、師匠の前で演じる時は、必ず本番と同じような気持ちで、台本を用意し(3分、5分、10分もの等)、その都度真剣に演技していました。それは、今思うと、本当に貴重な実演の機会だったのです。(腹話術仲間が厳しい目で見ていましたし。)
 みなさんも、毎月の定例会で実演する時を“本番”だと考えて、真剣に取り組むようにしたら、必ず今より上達することは間違いないでしょう。

2023年1月27日