No.99 表現力を磨く

「あなたこそ 私の内臓を造り 母の胎の内で私を組み立てられた方です。」

(詩篇139篇13節)

 かつてベストセラーとなった『人生を導く5つの目的』(リック・ウォレン著)という本の中に、「自分の形(SHAPE)を理解する」という項目があります。その内容は、「私たちの存在は、この世界にたったひとりのものであるし、神の創造の時からそれぞれたくさんの能力が与えられている。その能力を神が意図した使命のために奉げなければ、誰もその代わりを務めることはできない…」というようなことでした。
 ところが、多くのクリスチャンが「私にはそんな特別な能力はない」という言い訳を並べて、奉仕をしない傾向があるのです。
 それは、腹話術の世界でも同じだなあと思わされたことでした。
 残念ながら、様々な腹話術グループで「腹話術とはこういうものだから、こうしなければならない」というように、決まりきったパターンを伝授することが多いので、それができない限り、「私は向いていないのだ」とあきらめてしまう人々が出てくるわけです。あるいは何十年もやっているのに、相変わらず型にはまった腹話術のままということもあります。何ともったいない話ではないでしょうか。
 天地創造の神さまは、最もクリエイティブなお方です。その神さまが私たちを母の胎の中でご自身のご計画にそって組み立ててくださいました。その結果、私たちは世界に唯一無二の存在になったのです。つまり、すべての人に違った能力がたくさん与えられているということです。だからこそ、私たちの腹話術は、すべての人が実に「個性豊かな」演技を目指すことができるのです。

1.自分に与えられた能力を自覚しよう。
 (1)これは、みなさんの「生まれつきの能力」のことです。神さまが、みなさんに賜物として与えてくださったのです。まず、「自分は何が得意だろうか」と考えてみてください。「何が好き」でも構いません。「好きこそ物の上手なれ」と言うではありませんか。
 文章を書く、賛美を歌う、洋裁ができる、絵画を描く、ピアノやギターを弾く、スマホの操作が強い、運動が得意である、演劇が好きである、絵本を良く読む、数字に強い、語学が達者である等々たくさんのことがあるでしょう。それらを応用して腹話術を豊かにできるのです。
 (2)まずは、私自身の例を紹介しましょう。
*人形の洋服は10年間、裁縫の得意な母に依頼しましたが、デザインは自分で考えました。
*声楽を学んだことがあるので、台本を歌でつなぐ“ミュージカル”にして、それを、生のピアノ伴奏で演じました。
*腹話術と演劇を組み合わせて「ドラマ腹話術」を創作しました。
*英語台本に挑戦してみました。
*たくさんのパペットを用いて、地声も含めて9色の声色を使って、物語を作ってみました。声を出さないパペットでピアニカを吹きました。

2.個性豊かな表現を考える。
 (1)台本の内容も、自分の能力や生活に関わることで、非常にユニークになります。スマホが得意なら、そのテーマでできるでしょう。畑仕事の作物を実物レッスンにすることもできます。幼い子どもや高齢者に重荷があれば、その人たちが登場する内容も書けるでしょう。
 (2)このように、私たちにはたくさんの能力が与えられているので、おもしろい演出は色々できるのですが、忘れてはならないのは、その内容が「キリストを証ししているか」「神の栄光を現わしているか」という点です。それがないと、ただのエンターテイメントになってしまうからです。
 みなさんは「ゴスペル腹話術師」なのですから、あくまでもみことばの真理に基づく表現を目指していただきたいと思います。

2025年1月24日