No.100 目標をめざして走る
(ピリピ人への手紙3章13~14節)
みなさんが、生まれて初めて腹話術を見て「私もやりたい!」と思ってから、実際に習い、実演し、今に至るまでを数えると、ご自分でも驚くほど長い年数が経っていることでしょう。
とはいえ、すべての人が人形を片時も離さず一緒だったというわけではないと思います。「結婚、出産、育児で一時中断して」という方もおられるでしょうし、あるいは他の理由で何年か離れてしまったという方もおられるに違いありません。それでも、過ぎ去った腹話術人生を振り返ると、神さまが導いてくださった道は、人それぞれ特徴があると思うのです。
この霊想の最終回として、みなさんにお勧めしたいことは、神さまがご自分に与えてくださった腹話術という賜物の恵みを数え、感謝して前を向き、これからの走るべき方向を見据えていただきたいということです。
私自身、これまで多くの腹話術師の歩みを拝見させていただいてきましたが、神さまは、本当にひとりひとり、違った道を備えられるものだなと教えられます。ここでは、その典型をいくつかあげてみましょう。
(1)生涯、同じ対象に、同じ目的で用いられる。
皆さんの中には、最初から「子どもたちに聖書を伝えるために」と志し、これまでもずっと子ども専門で来たという方がおられるでしょう。神さまは、そういうあなたを「腹話術児童伝道者」のように召されたに違いありません。その熱意が今も変わらないのであれば、そのままこれからも走り続けていただきたいと思います。
(2)どんどん新しい分野に導かれる。
不思議なことに、最初は子ども向けと思って始めた腹話術が、年齢と共に、だんだんと違った分野に導かれる人もいます。教会学校から、婦人会、老人ホーム、地域のPTA活動など、対象も目的も違ってくるのです。それも神さまの備えられた証しの場ですから、その対象や目的に沿って台本研究をしていただきたいと思います。もちろん、あくまでも「ゴスペル腹話術師」として神さまの愛を忘れずに、ですが。
(3)色々やってきた中で、的を絞っていく。
人によっては、最初の段階から、結構色んな分野で腹話術が用いられてきたという方がいます。そういう方は、「これからの残された人生で、何に焦点を当てようか」と祈る必要があるかもしれません。これまで携わってきた分野で最後に最も重荷のあることを絞って、精一杯証し伝道していただきたいものです。
(4)人生でやり残したことを最後にやる。
ある姉妹は、30年間児童伝道一筋でしたが、80歳になって、ご自分の被爆体験の証人として人形と共に語るようになり、約5年間その働きをされ、大いに用いられました。そんな人生もありますね。まさに神さまのご計画だったと思います。
(5)演技者から指導者になる。
最後に私自身のことですが、思いがけず、ゴスペル腹話術師としては28年間で現役引退となりました。ところが5年後、『ゴスペル腹話術クラブ』の皆さんの講師になりました。そして今は、言わば“ゴスペル腹話術演出家”というような立場で、最後まで続けたいというビジョンが与えられています。これも不思議な神さまの導きだと思えるのです。
こうして私たちに与えられた「ゴスペル腹話術」を全うした時に、神さまはどのような“ご褒美”をくださるのでしょうか。それこそ、私たちの目指すべき目標です。それを楽しみに、走り続けようではありませんか。
2025年3月3日