No.1 「メグ」と共に
清水英子
私の一番よく使う人形は「メグ」という名の女の子で、やんちゃで言いたいことを言う子です。三体の人形を持っていますが、出番は圧倒的に多いです。なぜかというと長い付き合いですし、個性がはっきりしていて台本を作るのに適しているからです。と言っても台本作りは今も簡単ではありませんが。わたしの机の横の小さな本棚に腰かけてこちらを見ています。元気なおしゃべりが聞こえる気がします。
実はモデルがいて、高校生のときに出会い意気投合した友人です。行動力があって楽しい人で良く笑い合いました。人形はカタログの中から選びました。アメリカ製ですが、黒髪で明るく優しい雰囲気がありました。
ところが届いたダンボール箱を開けて驚きました。「えっ!? 違う。優しいというよりなんだか生意気。仲よくやっていけるかなぁ?」
そんなわたしの心配をよそに、めぐみ先生は「これは使えるわよ。少年院にだって行けるわよ。10代にも見える。『あたし、ヤクをやってたのよ』だって言える。」「そうなんですか? はぁ、そんなものかな。」と思いました。
とにかく私の相棒です。慣れるしかありません。そんな時、芯があって活発で個性的な友人を思い出しました。なんでも思っていることを言う天真爛漫な子にすればいいと思いました。
初めに作った話は人形がダンスを習ったので歌い踊る話でした。結局ダンスは動きがかなり難しくボツになったのですけれど、話はスムーズにできました。
次はペロー童話の「三つの願い」から話を作りました。これはあらすじだけを語るというお決まりの間違いを一度してから、人形のキャラクターが表れるような台詞を考えることができました。
わたしはこの人形が大好きです。出会えたことを主に感謝しています。