No.7 賜物に磨きをかけて

山田真佐子

 私には40年以上習い続けてきた事が2つあります。その一つが腹話術です。細々と,ゆっくりと腹話術に向き合ってきました。
 腹話術を長く続ける秘訣は色々あるかと思いますが、まずは良き指導者と、良き仲間に恵まれる事、これは重要なポイントだと思います。改めて高橋めぐみ先生と仲間たちとの出会いに感謝です!
 “たかが腹話術されど腹話術”と言われるように、一口に腹話術と言ってもその内容は多岐にわたり、私が取り組む腹話術は主に聖書台本ですが、振り返ると、ある時期まではただ単にストーリーを追うだけの内容になっていました。しかし月に一度の例会での学びを通して、聖書台本の作り方を具体的に丁寧に教えて頂き、その時の学びが今も台本作りの基盤になっています。腹話術は台本が命です!そして、聖書のみ言葉には忠実に、かつ自由な発想で相棒の「リリーちゃん」との会話を楽しんでいます。
 腹話術のだいご味は?と聞かれれば、それは演じる者とお人形と会衆が、同じ空間の中で一体感を覚える時ではないかと思います。
 自分でも演じながらおかしくなったり悲しくなったりする時があります。毎回そうではありませんが、その心境に達するまでには、台本作り、セリフの暗記、人形操作などなど、まさしく生みの苦しみがあり、人知れず地道な作業があります。
 一人だけで続けることは到底できませんでした。何よりも腹話術は神様から頂いた賜物なのです。
台本作りに行き詰まる時、ふっと上からセリフが下りてきたような感覚を覚えることがあります。「あ!来た~」と心の中で叫んでいます。
 さて、私の腹話術はいつまで続けられるかしら…。
そんなことを思う今日この頃ですが、年老いてもその年齢にふさわしい腹話術が演じられれば嬉しく思います。神様から頂いた賜物にさらに磨きをかけて、皆さんに楽しんで頂ければ幸いです。