No.87 台本を暗記する7つのステップ

「勤勉で怠らず、霊に燃え、主に仕えなさい。」

(ローマ人への手紙12章11節)

 先月は、久しぶりに顔と顔を合わせての一日セミナーで、喜びと共に、改めて課題が浮き彫りになりました。ほとんどのみなさんが、台本暗記に苦戦しておられたということです。コロナでZoom研修をしている間、台本作成に力を入れましたので、台本を暗記して演じるという機会がほとんどありませんでしたから、無理もありません。本来のテーマは「人形操作」でしたが、それ以前に、台本を暗記していなければ、人形操作に心を向けることはできません。そこで、今回は、台本をいかに効率よく暗記するかということを、共に考えたいと思います。
 とはいえ、何事も“急がば回れ”で、楽してすぐに身につけることなどできません。それでも、ある一定の法則というものがあって、それに忠実に従って訓練すれば、必ず成果はあがるものです。以下、私自身の経験から、「台本を暗記する7つのステップ」なるものを紹介しましょう。

ステップ1:奉仕の場を作る。

 腹話術は人前で演じてなんぼの世界です。演じる場が与えられなければ、当然ながら、台本を書く気にもなれませんし、練習もできません。まずは、毎月1回とは言いませんが、年に2~3回は、たったの5分でも結構ですから、奉仕の場を求めて祈りましょう。「門は叩く」ことによって開かれます。頼まれるのを黙って待つのではなく、自分の方から、「させてください」と申し出てみましょう。

ステップ2:台本を何度も書き直す。

 「一年に一本の台本を仕上げる」ことを目指してください。そのためにこそ、毎月の例会があるのですから、毎回同じもので結構ですから、その都度みなさんからの講評を受けて、書いては直し、書いては直ししてみてください。そうしているうちに、内容はおのずと覚えてしまいますし、必ずや、すばらしい“十八番”が完成することでしょう。

ステップ3:目と口で覚える。

 台本暗記の方法については、個人差がありますので、ご自分に合う方法でよいと思います。一番多いのは、台詞を言葉に出して唱える方法かもしれませんが、それだと喉が疲れます。私自身は、台本を黙ってじっと見つめて、文字を画像として目に焼き付ける方法を取ったりします。すると実際に演じているときに、その文字が目の前に出てくるのです。

ステップ4:人形と一緒に台本を読み上げる。

 腹話術は“ふたり芸”ですから、術者は術者の台詞、人形は人形の台詞をそれぞれ覚えなければなりません。声をあげて、何度も読み上げていると、二人の間の呼吸が合ってきて、自然と「間」や「リズム」なども醸し出されてくるものです。その「掛け合い」の妙味が大切なのです。

ステップ5:台本を見ないで練習する。

 台本がほとんどできあがったら、とにかく、台本から離れることです。いつまでも台本を脇に置いていると、どうしてもそれに頼ってしまいますから、台本は見ないと心を決めてください。そして、終わった後で、チェックしてみましょう。実際には、台本よりいい台詞になっていたりしますから、その時は、台詞を書き直しておきます。

ステップ6:鏡の前で、人形と共に動きを研究する。

 ここからが、人形操作の練習が始まります。この時には、全く台詞に不安がないので、台詞に合った術者と人形の動きを研究することができます。

ステップ7:他人の前で演じる。

 実際の奉仕に立つ前に、誰かに見ていただくことは場慣れにもなります。身近な家族だと案外厳しい感想になるかもしれませんが、それも良し。クリスチャンで親しい方であれば、励ましてくださるかもしれません。とにかく、腹話術を知らない人からの感想は、とても貴重なものだと思います。

2023年10月27日