No.8 私でありたい!
小学校の仕事を退職して、そのまま神学校へと考えましたが、神学校の入学試験に間に合わず、私はかろうじて“聴講生”として滑り込みました。もともと正規の学生として学びたかったのですから、翌年、2年に編入するためには、全科目、合格点を取っていなければなりませんでした。 当時、その神学校は男性ばかりで、私が入った...
小学校の仕事を退職して、そのまま神学校へと考えましたが、神学校の入学試験に間に合わず、私はかろうじて“聴講生”として滑り込みました。もともと正規の学生として学びたかったのですから、翌年、2年に編入するためには、全科目、合格点を取っていなければなりませんでした。 当時、その神学校は男性ばかりで、私が入った...
大学2年生の10月にバプテスマを受けた私の生活は、その日から一変しました。 そもそも、私が大学で声楽を習っていたことを知った教会員は、私を聖歌隊に招き入れようと手ぐすね引いて待っていて、受洗当日の夕礼拝から、私は聖歌隊メンバーとなって賛美したのです。また、大学卒業後は小学校の教員となる予定でしたので、翌年...
私が高校一年に進級してから、我が家の空気がこれまで以上に重苦しくなってきました。3歳上の兄が、大学入試に不合格となり、東京の予備校に通うため、下宿生活になったためでしょうか。父は、いつも黙って宙に向かって人差し指で数字を書いていました。おそらく、お金の計算をしていたのでしょう。父と母が何やら話し合ったり、...
我が家は、私が物心つく頃から“キリスト教”的なムードはありましたが、父は自分ひとりで教会に通っていましたし、子どもたちを「教会学校」に連れていってくれることもありませんでした。(尤も、終戦直後の教会で、「教会学校」などはなかったかもしれませんが。) そんなわけで、私が最初に聖書のみことばに出会ったのは、...
人間とは実に罪深いものです。特に親子の問題は、どこの家庭でも、大なり小なりあることでしょう。もちろん、お互いに言い分があって、子どもからすれば「私は親にこれだけ傷つけられた」と言い張る理由があり、親からすれば「この子は本当に育てにくい子だった」と言える根拠もあるのです。 私自身は、親になった経験がありま...
聖書には、結婚の定義として、「それゆえ、男は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となるのである。」(創世記2章24節)とありますが、率直なところ、私の両親は、夫婦というより、同志であったように思えます。 私たち子ども4人は、小学生の頃から、全員、父にこう言われて育ちました。 「うちはな、お金がない...
私が物心ついた頃、毎週日曜日の朝になると、父がラジオをつけて、なにやらドラマのような会話が聴こえてきました。私は大抵、まだ布団の中でしたが、何となく惹かれる思いで、聴き耳を立てたものです。後で知ったのですが、それは、「ルーテルアワー」というキリスト教の番組でした。その後、父は朝ごはんを食べると、自転車に乗...
2023年10月に、私もとうとう70歳を迎えました。「とうとう」というのは、70歳になった途端に、心境が大きく変化したからです。 みことばの詩篇にもこう書いてあるではありませんか。 「私たちの齢は七十年、健やかであっても八十年。」詩篇90篇10節 こういうと、「いやいや、これは旧約時代の人生観ですよ。...