
No.18 しあわせの灯
私のドラマ腹話術で用いてきたキャラクターの中で、一番ユニークなのは、「バツイチ・ケリー」の次に「アンディー・ホームレス」ではないかと思います。 元ホームレスのおじさんが救われて、ホームレス伝道者になったという設定なのですが、このキャラクターに至るまでは、やはり様々な私の体験がありました。 これもアメ...
私のドラマ腹話術で用いてきたキャラクターの中で、一番ユニークなのは、「バツイチ・ケリー」の次に「アンディー・ホームレス」ではないかと思います。 元ホームレスのおじさんが救われて、ホームレス伝道者になったという設定なのですが、このキャラクターに至るまでは、やはり様々な私の体験がありました。 これもアメ...
親というものは、(私は経験がないのでわからないのですが)たとえ“子ども好きではない”人でも、自分の子どもにだけは「何でもしてあげたい」と思うようです。特に、自分が「ああ、あれがあったら」「あのことをしていれば」と、“たられば”の願望を持っている場合、それを子どもを通して実現させようとする傾向があると言われ...
タカちゃんをケンタッキーの博物館に贈呈した後、私は彼が天国で楽しくやっていくだろうと心からの安息を覚えました。実は、その博物館の名前は、“Vent Haven Museum”(直訳すると「腹話術師の安息所博物館」)で、ちょっと“Heaven”(天国)に似ていますから、タカちゃんがとうとう何の不自由もなく、...
アメリカには「自由の女神」が立っています。腹話術のコンベンションに参加した頃は、「さすが、アメリカ。何もかも自由で創造的で、個性的で、みんな発想が違うなあ」と感服したものでした。その点、日本は、「みんな同じ」を求めていて少しも自由がない、と思ったのです。人形の顔も同じものが多いし、演じ方も画一されていてつ...
「大事なのは新しい創造です。」ガラテヤ人への手紙6章15節 人間とは、自分で自分がわからないものです。それもそのはずです。自分の意志で両親を決めたわけでもなく、いつ、どこで生まれるかも定められず、ましてや男か女かも選べません。ふと物心がついたら、自分という存在がこの世に置かれているのですから。 私は、い...
1994年12月、クリスマス直前に、私は無事神学校の卒業式を迎えることができました。アメリカは日本以上に“学歴社会”です。成績も、「A」「B」「C」ではなく、「A⁺」「A」「A⁻」といったふうに、何段階にも分かれています。そして、卒業式の名簿には、総合評価まで記されるのです。それでも私の成績は、何と「最優...
「イエスは再び人々に語られた。『わたしは世の光です。わたしに従う者は、決して闇の中を歩むことがなく、いのちの光を持ちます。』ヨハネの福音書8章12節 周囲の反対を押し切って、“留学”した私でしたが、実のところは、“日本脱出”と言うべき精神状態でした。「もう日本には帰りたくない」というのが本音だったのです。...
アメリカ留学を決意した時、私はもう腹話術はやめても良いと思っていました。それでも、10年間苦楽を共にしてきた人形タカちゃんだけは手離す気にもなれず、一応連れて行くことにしたのです。それが、その後の腹話術人生を大きく変えることになるとは夢にも思いませんでしたが―。 神学校の入学許可が下りてから、9月までか...
我が家で倒れ、4か月休養した後、私は腹話術10周年記念として、「春風マリヤふるさと高崎公演」を実施するという決断をしました。高校時代に父を亡くした者として、母校転居跡に建てられた文化会館ホールでの公演は、私自身の精一杯の信仰告白でした。 そうして、すべてを出し切った時、私の心に迫ってきたものは、「もう日...
神学校の卒業が近づいても、私には、“就職先”が見つかりませんでした。数人の女子学生たちは、それぞれ結婚に導かれ、牧師婦人として奉仕先が決まって行ったのですが、私はひとり、あてもなく残された状態でした。自分自身の理想としては「教育主事」というような肩書の立場で、どこかの教会で仕えたいと思ったのですが、当時(...